誕プレという名目で史上最軽量MacことMacBook12インチ(2017)を手に入れてしまった。
果たしてこいつは現代でも使えるMacなのか?そのあたりをしばらく使い込んだ感想と共にお届けしていければと思う。
それでは今回も行ってみよう。
- まずは結論 MacBook Airの万能性を手にした方が幸せ
- しかし僕の中での評価は「最高」
- 魅力的だが...購入はオススメしない
- とはいえ 見方を変えると気にならなくなる2つのデメリット
- 今回の総括 Apple Siliconで復活してほしい変態Mac
まずは結論 MacBook Airの万能性を手にした方が幸せ
いつも通りまずは結論から
このサイズと重量感でフルサイズのOSが動くのは非常に魅力的。しかし今からの購入は絶対にオススメしない。なぜならApple Siliconを搭載したMacBook Airが購入できるから。
これが結論だ。
このMacBook12インチはMacBook史上最軽量のパッケージングを実現するためにあらゆる面で凄まじい削ぎ落としを行っている。しかしそのレベルが尋常なせいで使い勝手に悪影響を及ぼしている部分が大きい。
癖が強すぎて表面上のスペックを理解するだけで使いこなすことは不可能で、使いこなすためにはコンセプトや製品の立ち位置を理解する必要があるため、後述する唯一にして最大の利点にメリットを感じないのであれば購入は絶対に控えた方がいい。
あと巷では「サブ機として優秀〜」なんて謳われていたりするが、そんな事はないと声を大にして言わせてもらう。
あまりにもスペックが非力すぎてサブ機として運用するとマッハでフラストレーションが溜まっていく。特にApple Silicon Macを触っている人だとメインMacとの落差に愕然とすることだろう。
ともかく、総じて狂気じみた削ぎ落としっぷり故にユーザー側も今までにないレベルで使い方の改めを強要されるマシーンになっているため、これからMacを購入する人はもちろん既にMacを持っていて2台目を検討している人にも僕は絶対にオススメしない。
悪いことは言わないから絶対MacBook Airを買った方が幸せになれる。
しかし僕の中での評価は「最高」
と言っておきながら実は僕の中での評価はめちゃくちゃ良い。
もちろん他の人に勧めることは絶対しないのだが、ガジェオタの僕が特性を理解して使うには期待に沿う素晴らしい働きをしてくれる。そんな一台だ。
920gでフルサイズのOSが動く衝撃
とにかく軽い
それでいてフルサイズのOSが動く利便性は素晴らしいの一言
近年はiPadがかなりパソコンライクに使えるようになったので
「出先の軽作業はiPadでも行える!」
と言われることが増えた。ただ実際に使ってみると
- 一部のウェブサービス機能が上手く動作しない
- ファイル管理がしにくい
- フルサイズOSで動くことを前提にしている作業効率化ツールやアプリが使えない
などMacと比べるとOSの機能やアプリ等が不十分で完全に置き換えられる領域には達していないのが現実。
kenboapplegadget.hatenablog.com
特にBetter Touch Toolをはじめとするランチャー系アプリとGoogle Chromeの拡張機能は僕の中でブログ執筆の快適さを上げてくれている機能なので使えないのは痛い...
kenboapplegadget.hatenablog.com
かといってmacOSを使うためだけに1.6kgのMacBook Pro14インチを毎回持ち運ぶのも正直しんどいし、腰を据えて何か作業しないなら1.6kgのMacBook Proはただの荷物でしかない。
それと比べてMacBook12インチはとにかく軽い。にも関わらずOSだけはフルサイズでMacBook Proと同じものが走っていて、同じツールが使えるのでiPadよりも作業は快適に行える。作業内容的にMacが手放せない僕からするとiPadの機動力とMacの汎用性を併せ持ったこのマシーンは外出用PCとして本当に最高なのだ。
とにかく持ち運びたくなる
この軽さは本当に偉大でとにかく持ち運びたくなる。衝撃的な軽さ。
kenboapplegadget.hatenablog.com
MacBook単体で見ても軽いのは当然のこと、充電もモバイルバッテリーで行えるレベルなので150W級のハイパワー充電器を持ち運んだりしなくても良い。MacBook Proと比べて持ち運ぶ敷居が圧倒的に低いため、とりあえずバッグの中に突っ込んで持ち運びたくなる。
これが本当に気軽で楽で一度慣れてしまうと抜け出せなくなる中毒性がある。
魅力的だが...購入はオススメしない
とまぁ主にサイズ面での魅力が強いMacBook12インチだが、冒頭で述べた通り僕はこのMacの購入をオススメしない。
それこそ920gという圧倒的軽さを生み出すために犠牲となった部分が使い勝手に大きく悪影響を及ぼしていて、MacBookというベーシックな名前の割にはかなりユーザーを選ぶ印象が強い...
中でも個人的に感じたイマイチポイントは2つ
1 スペックが低すぎる
えっ...こんなに遅いの....
と絶句してしまうぐらいMacBook12インチのスペックは強烈。動画編集や画像編集なんて絶対できないし、ウェブサーフィンも広告が多いページでは普通にカクツク。
僕の購入したモデルはCore i5搭載モデルなのだが、消費電力の少ない超低消費電力版故に名前の割にはスペックが全然出ない。特に強烈なスペックの低さを僕に印象つけた出来事として初期設定終了後の環境構築でYouTubeの動画を見ながらMicrosoftOffice(約10GB)のインストールを行おうとすると
いつまで経ってもインストールが進まず、最終的にYouTubeの動画視聴をやめ20分放置してようやく終わった事があった。
CPUの性能があまりにも低すぎるせいで裏で何かしらのソフトや機能を動かしているだけでMac全体の動作が悪くなるので、Apple Silicon Macはおろか近年出たパソコンの感覚として使おうとするとかなり面を食らう。
kenboapplegadget.hatenablog.com
スペック不足で乗り換えたMacBook Pro13インチ(2017)でさえ、少なくともアプリのインストールが終わらないことはなかったのに
- 同年代
- ほぼ同価格帯
のMacでこのスペックなのはなかなかヤバい。終わっている。
2 内蔵キーボードが問題だらけ
スペックが最悪なのと同じぐらいMacBook12インチのキーボードも最悪だ。
MacBook12インチに限らず、基本的にここら辺のMacBookにはバタフライキーボードという本体の薄型化のためにキーボードの深さを極限まで薄くしたキーボードが搭載されているのだが、現行のMacBookに採用されているシザー式キーボードと比べるとキーの跳ね返りがなさすぎて高速タイピングしにくい。
kenboapplegadget.hatenablog.com
いや、厳密にいうと速度は出せる。しかしMacBook Pro14インチのキーボードや僕が愛してやまないHHKBと比べて「キーを打っている、押し込んでいる」という感覚が少なすぎるが故に高速タイピングをするとものすごく脳が疲れる。
そして最大の欠点はぶっ壊れやすいということ。具体的にはキーを押しても戻ってこなくなる可能性が高い。
kenboapplegadget.hatenablog.com
実際僕も同年代のMacBook Pro13インチをメイン機として使っていた時にバタフライキーボードの耐久性の低さに振り回された思い出がある...結局その時は家で使っているキーボードを持ち運んで外でも使うという荒技で乗り切ったのだが、MacBook12インチはマシン特性上外付けキーボードを使うのはナンセンスなので耐久性に不安があるキーボードをほぼ確実に使わないといけない。
サブ機としてはとにかく使い勝手が悪い
これがメイン機の延長線上で使うサブ機としてはとにかく使い勝手が悪いのだ。
あまりのも低すぎるスペックはメイン機との落差が大きすぎて何をするにもレスポンスの悪さでストレスが溜まる。
出来る作業も限られる。
使い心地が最悪なキーボードもPCとコミュニケーションを取る上では絶対に使わなければいけないが故に使用する度ストレスが溜まっていくし、万が一ぶっ壊れた時のリスクも大きい。
仮にキーボードが壊れてApple公式で修理となると4万円弱の金が取られるわけでいくら本体が4万円程度で購入できたとしても合わせて8万円の出費になるなら、初めからApple Siliconを搭載したMacBook Airを購入した方が
- 動作の快適さ
- 装備の快適さ
の両方を手に入れられすし、結果としてサブ機としての使い勝手も上がる。故に僕はこのMacBook12インチの購入はサブ機だとしても基本的にオススメしないし、8割の人間はMacBook Airを購入するべきだと考えているわけだ。
とはいえ 見方を変えると気にならなくなる2つのデメリット
ただ、製品のコンセプトを考えると先ほどのデメリットもそんなに気にならなくなってくる。
「920gの重さにMacBookとしての機能を詰め込む」
という目的がある。その目的達成のためにはなるべく物理的に動くパーツを取り除いて本体を薄型化するのは必須条件。
超低電圧CPUを採用してスペックが死んだのも、Apple Siliconが使えない状況下で発熱を抑えつつ冷却用のファンを取り除き、消費電力を抑えて本体の薄型化とバッテリー持ちの担保を図ろうとしたものだし
このクソ使いずらいキーボードを採用したのだって本体を限界まで薄く、そして軽くするためにAppleが考え出した狂気ともいえる「答え」なわけだ。
結局今回犠牲になった部分というのは「最高に薄くて軽くて小さいMacを作る」という大きな目的があって、その目的を達成するためにトレードオフで失われただけの話。軽さとmacOSを求めるユーザーには明確なメリットを提供しているので何も問題はない。
何度も言うが920gでフルサイズのmacOSが実行できてパソコン版のソフトがそのまま動く(極端な話Windowsだってぶち込める)のは非常に便利で魅力的なのだ。
ただし一般人が使いこなすのはほぼ不可能
ただ、今話したメリットというのは僕がガジェオタで「どうしてこのマシーンが狂気的ともいえるそぎ落としを行ったのか」を理解してポテンシャルを最大限活かせるような使い方を導き出せたから感じているのであってサブ機だとしても
何も知らない一般人が購入して使いこなせるようなMacではない。
それぐらい薄さと軽さを実現するための執念とそぎ落としっぷりが凄すぎる
中でもスペックは昔のネットブックを彷彿とさせるようなレスポンスの悪さだし、その割にバッテリーも全然持たない。おまけにキーボードも最悪。いくら軽くて取り回しがしやすいと言ってもパソコンとしての根本的な使い勝手が悪いのであればわざわざ選ぶ理由がない。
Apple Siliconの万能性を味わえるMacBook Airを買った方が幸せ
だったら初めから10万円でMacBook Airを購入してApple Siliconのパフォーマンスの高さとバッテリー持ちの良さを味わった方が少なくともMacBook12インチを我慢しながら使うよりも遥かに良い体験ができると思う。
発売当初と違ってソフトの互換性問題も一般用途だとほとんど気にならないレベルになったし、発熱も少なくバッテリー持ちも優秀。本体重量と大きさこそMacBook12インチに劣るものの、それ以上に「単体利用時の快適さ」が桁違いで良いため総合的な使い勝手はこちらの方が上。
それなら初めからMacBook Airを購入して快適なMacライフを送るべきだと僕は考える。
今回の総括 Apple Siliconで復活してほしい変態Mac
記事内で何度もお伝えしているようにこのMacBook12インチのクセは相当強い。それこそユーザーがパソコンの使い方を改めなければいけないレベルでスペックは低く、キーボードは打ちにくい。Intel Macなのでバッテリーも当然のように爆速で減っていく。
しかしだ。そんな事がどうでも良くなるぐらい本体の圧倒的な軽さとフルサイズOSが動かせるというのは自分の中でかなり魅力的に感じられた。
Appleらしく強い美学が反映されている分、あまりにも使い勝手が犠牲になっているタイプの製品なのだが、そこの美学に惹かれて価値を見出せた人にはこれ以上ないほどに魅力を感じられるモデルなんだと思う。
個人的にはApple Siliconでの復活を期待したいところ。Apple Siliconが搭載されれば最大の欠点であるパフォーマンスの悪さは確実に改善される上にバッテリー持ちも良くなるので、一人のユーザーとしてこのモデルの復活を期待して記事を締め括ろうと思う。
今回は以上だ。ではまた次の記事で。