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現在、Macと一緒にブログの記事を書いているのがこのHHKB(Happy Hacking Keyboard)Professional BT。6月に購入してからかれこれ5ヶ月以上使い続けているが、いまだに最高と言えるキーボードだ。
今回は5ヶ月間使ってみて感じた感想や魅力(というか12月中に出せずに半年になってしまったのだが...)を使用感レビューとして記事にまとめていこうと思う。今、高級キーボードの購入を考えている方の参考になれば幸いだ。
それでは今回も行ってみよう。
HHKB Professional BTとは?
HHKB(Happy Hacking Keyboard)はPFUという会社が作っているプロフェッショナル向けのハイエンドキーボード。
「唯一無二のキーボード」そして「一生使えるキーボード」をコンセプトにしているためなんと初号機が発売されてから20年間、基本的なキー配列やサイズ感は変わっていない。
そして、そんな歴史のあるHHKBシリーズ史上初のBluetooth接続機能を備えつつ、HHKBの特徴的な配列や静電容量無節点方式(詳しくは調べてみて欲しい...)をそのまま搭載してきたのがこの「Professional BT」。Bluetoothに対応しているため今まで使いにくかった
に繋いで「いつでも、どこでも」最高の打鍵感を味わうことが出来る。
プロフェッショナル向けということもあり一般的な日本語配列だけでなく、キーの数を減らして合理性に優れたUS配列をラインナップ。カラーは白と墨の2色でキー表面の刻印が一切ない「無刻印モデル」が選択可能。
(日本語配列とUS配列の違いについては以下の記事を参照)
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価格はおよそ3万円。今は新型のHYBRIDが出た影響で2万円前半まで値が落ちてきているとはいえ、やはりキーボードの中では結構高い。
しかし...
- 打鍵感
- サイズ感
- 合理性
- デザインの美しさ
を考えるとたとえこの価格であっても「HHKBじゃないとダメだな」と思わせてくれる理由がしっかりあった。ここからはそんなHHKBの魅力をたくさん紹介させていただきたい。
1 タイピングをしていて気持ちの良い打鍵感
HHKB最大の特徴とも言えるのが静電容量無節点方式を採用した独特な打鍵感。「コト、コト、コト」という音を鳴らしながらチロルチョコのようなキースイッチを押してタイピングすることが「快感」に感じられるほどHHKBの打鍵感には他のキーボードでは味わえない独特の魅力がある。
あまりにもクセになる打鍵感なせいで、ちょっとした出先でもパソコンを使って作業をするなら「HHKB持っていかないと」と思わせられる。それぐらいHHKBの中毒性は高い。
特にブログを書く場合
- HHKBの打鍵感で脳を活性化
- 頭の中が整理されてどんどん文が溢れてくる
- 少ない疲労感で多くの文を書ける
と好循環に繋がるので、僕自身文字数が多くなりがちなレビュー記事はSmart KeyboardではなくHHKBとMacを優先的に使うようにしている。
2 最高の打鍵感を最小のサイズで。でも持ち運ぶには少し重い。
静電容量無節点方式を使ったキーボードの中でHHKBはめちゃくちゃコンパクト。その代償として一般的なキー配列ではなく、一部キーが削られた特殊な配列(後述)なのと重量が500gほどと少し重たいが「どこでも最高のタイピング環境を構築できる」というメリットに比べればこんなの些細な問題だ。
「Professional BT」の名の通り、Bluetooth接続に対応しているのでリュックで外出先まで持っていって電源をつけるだけでワイヤレスで接続されて使えるようになるところもメリット。ここ最近のMacBookのように外部ポートの少ないマシーンでも余計なハブなしで接続できるからだ。
もし、持ち運びをメインに考えているなら純正のケースを購入するのが最もオススメ。余計なものが一切ついていないシンプルなデザイン、尚且つHHKBが取り出しやすいよう入れるところが大きめに作られているためとても使いやすい。価格も2000円ほどでリーズナブルなので合わせて購入してみて欲しい。
3 一度慣れるとやめられない合理的なキー配置
先程紹介した「コンパクトさ」を実現するために役立っているのがこの特殊なキー配列。具体的には
- 独立した矢印キーがない
- 独立したファンクションボタンがない
- 一部キーの配置が異なる
これら3点が一般的なキーボードと異なっている点。HHKBでこれらのキーを使う場合は右シフトキー横にある「Fnキー」との同時押しで呼び出す必要がある。
やはり他のキーボードと違う配列で多くの人が購入前に躊躇する点ではあるのだが、半年ほど使い続けると慣れる。むしろこの配列の方がホームポジションからそこまで手を動かさなくても各キーの機能を使える分、便利に感じる。
ちなみにHHKBシリーズ全般は背面のDiPスイッチのオンオフを切り替えることで
などのカスタマイズがある程度可能。さらに最新のHHKB HYBRIDシリーズになれば専用のソフトを使って一つ一つのキーを詳細にカスタマイズすることができる。カスタマイズの設定は全て本体に記憶されて、どんなパソコンでも同じキー配置で使えるのもプロフェッショナルを意識したHHKBらしい仕様だと思う。
4 デザインの美しさ
僕が購入したのは「墨」という黒一色のモデルなのだが、これがApple製品とは違う「無骨さ」を醸し出していて所有欲を満たしてくれる。
キートップの印字は目立ちにくい黒×昇華印刷の組み合わせ。
右下にはHHKB Professional BTのロゴ。
3万円もするだけあってデザインの高さはピカイチ。Apple製品と合わせても全然違和感がないのも良い。
HHKB Professional BTのデメリット
実はデメリットと言えるポイントは、メリットの裏返しか現行の最新モデルで改善されていることばかりなので「致命的」とも言えるものはなかったりする。
とはいえProfessional BTのレビューである以上は、デメリットもしっかり伝えさせていただく。
1 外出先では使いにくい場合もある
HHKBの静電容量無節点方式は打鍵感が良い反面、ノートパソコンに採用されている薄型のキーボードに比べると音がうるさいデメリットがある。そのため
- 図書館
- 町の待合室
- 人が多いカフェ
などでは迷惑をかける可能性があって使いにくい。仮に使ったとしても「こいつガチ勢じゃん...」みたいな目で見られる笑(実体験)
特に静音モデルではない通常モデルは打鍵した時の音がそこそこ大きいので、外出先でもバリバリ使おうと考えている人は使う場所を考えながら使用することをオススメする。
2 持ち運び用キーボードとしてはデカイ
iPad用のSmart Keyboardと比べればその差は歴然。Smart KeyboardであればiPadにつけて持ち運ぶか、カバンの前側の限られたスペースに突っ込んで持ち運ぶことが可能なのに対して、HHKBはその厚さ故に基本的にはメインの収納スペースにしか入れることが出来ない。
そのため一部キーの大きさが小さくなっているなどHHKBより劣るのは事実なのだが
- カバンを選ばずに持ち運べる
- 使う場所を選ばず使える
という点ではHHKBのデメリットを完全に払拭してくれる。もちろんMacを持ち運ぶのであれば「どこでも最高の最高の作業環境を構築出来る」というメリットが大きいのでHHKBの重さや大きさは気にならない。しかし、そうではない局面だとわざわざiPadのためだけに500g以上する荷物を持ち運ぶメリットを見出せない。それなら電池残量や持ち運びの面を気にしなくてもいいiPadとSmart Keyboard(700gちょっと)を持ち運んだほうが効率的だ。
3 使いこなすのに慣れが必要
特に薄型キーボードからの乗り換えだと完全に慣れるまでに1ヶ月はかかる。その間は高速タイピングができないストレスで「あァァァァァァァ!!!!」となる。絶対にだ。
僕自身、Apple純正のMagic Keyboard(Mac用)から乗り換えたこともあり
- 矢印キーの使い方
- 画面の明るさ変更などが単独のキーで行えない(Fnキーと任意のキーの同時押しが必要)
- バックスペースの位置
でかなり苦戦を強いられた。また墨モデルを購入するならキーボードを見ずにタイピングが出来るブラインドタッチは必須。一見するとキートップとの一体感が美しい墨モデルだが、ブラインドタッチができない(キートップを見る必要がある)とかなりキートップの印字が見えにくいので余計にストレスを感じる。
慣れてしまえばかなり快適にタイピングを行うことは可能。その慣れるまでの期間をどう捉えるかでHHKBに乗り換えるかどうかが決まってくると思う。
4 2台以上のデバイスで使いにくい
僕の使っているMX Master3には最大3台までのデバイス間での接続をボタン一発で切り替えられる「マルチペアリング」に対応している。ただBluetooth接続で様々な機器と使えることがメリットのHHKB Professional BTは便利なマルチペアリングに対応していない。
一応、デバイスを切り替えるときに「Fn+Q」でペアリングモードにして使いたいデバイス側で選択すれば接続先を変更することも可能なのだが、一回ボタンを押すだけで即座に切り替えが完了するマルチペアリングに比べるとかなり非効率で不便なやり方だ。
僕の場合はMacと学校支給のWindowsPCを併用している関係で頻繁に接続切り替えを行う。できればマルチペアリング接続に対応しているHYBRIDに買い替えたい(´;ω;`)ブワッ
HHKBの購入はオススメなのか?
必要かどうかでいえばNo。実用性という意味では1万円クラスのキーボードでも十分すぎるし、Macbookのアクセサリーが何も揃っていない状態で3万円をキーボードだけに使うなら
- フルHDディスプレイ
- Magic Keyboard
- Magic Mouse2
- USB-Cハブ
を購入してデスクトップ環境でもMacBookを運用できるようにした方がいいと思う。
ただ、それ以上に快適な打鍵感と持ち運びのしやすさを両立したいのであればこのHHKBは唯一無の選択肢となる。現状、兄弟機であるRealforceがワイヤレスモデルを発売しておらず、据え置き前提で作られていることを考えれば同じ3万円を持ち運びが簡単なHHKBに投資する価値はあるだろう。
今回の総括
どこでも最高のキーボードでタイピングができる喜び
HHKBを購入してからパソコン上で行うタイピングがとても楽しくなった。持ち運びの簡単さも相まって
- 学校
- カフェ
なんかにMacBook Proと一緒に持ち運んで「コトコトコト」と音を立てながら文字を打つのは快感そのもの。どんどん文章を書きたくなる感覚に襲われる。
もし今のあなたが少しでもタイピングを心の底から楽しみたいと思っているのであれば、一度HHKBやRealforceが採用している「静電容量無節点方式」のスイッチでタイピングをしてみて欲しい。(個人的には一般的な配列に拘らないのであればHHKBがオススメ)
今回は以上だ。ではまた次の記事で。