日本時間の午前2時から行われたGoogle/IOにて
・Google初のスマートウォッチである「Pixel Watch」
・久々のGoogle謹製Androidタブレット「Pixel tablet」
・今年のフラッグシップモデル「Pixel7&7 Pro」
・ノイキャン付きGoogle純正イヤホン「Pixel Buds Pro」
と合わせてPixelの廉価モデルとなる「Pixel6a」が正式に公開された。
今回はそんな2022年度のエントリーモデルであるPixel6aのスペックや発売日などに継いてまとめつつ、このスマホに対する僕の率直な感想をお届けさせていただきたい。
それでは今回も行ってみよう。
Google Pixel6aとは?
一言で言うなら「Google純正スマホの最新ミドルレンジモデル」がこのPixel6a。
kenboapplegadget.hatenablog.com
当ブログでも紹介したPixel3aから数えて今作は4代目となるPixelシリーズのミドルレンジモデルなのだが、正式発表されたスペックを見る限りaシリーズ(Pixelのミドルレンジモデルの総称)史上最も完成度が高くiPhoneにこだわりがなければ万人にオススメしやすいモデルになっている。
Pixel6aのスペック
そんなPixel6aの詳しいスペックは以下の通り(比較用に前モデルのPixel5aとiPhone SE 2022のスペックも記載しておく)
Pixel6a | Pixel5a | iPhone SE(2022) | |
---|---|---|---|
SoC | Google Tensor | Snapdragon765G | Apple A15 Bionic |
メモリ | 6GB | 6GB | 4GB |
ストレージ | 128GB | 128GB | 64GB〜(最大256GB) |
ディスプレイ | FHD+6.1インチ OLEDディスプレイ(最大60Hz) |
FHD+6.3インチ OLEDディスプレイ(最大60Hz) |
HD 4.7インチ 液晶ディスプレイ(最大60Hz) |
カメラ | 背面 12.2MP+12MPのデュアルカメラ(広角+超広角) 前面 8MPのシングルカメラ |
背面 12MP+16MPのデュアルレンズカメラ(広角+超広角) 前面 8MPのシングルカメラ |
背面 12MPのシングルカメラ(広角) 前面 7MPのシングルカメラ |
生体認証 | 画面内指紋認証 | 物理指紋センサー(背面) | 物理指紋センサー(前面) |
バッテリー | 4410mAh(ワイヤレス充電非対応) | 4680mAh(ワイヤレス充電非対応) | 2000mAh(ワイヤレス充電対応) |
ネットワーク | Wi-Fi6、5G対応(eSIMにも対応) | Wi-Fi5、5G対応(eSIMにも対応) | Wi-Fi6、5G対応(eSIMにも対応) |
価格 | 53900円 | 51700円 | 57800円〜(同容量のモデルは63800円) |
赤字になっているところが今回大きく進化したポイントと価格になる。ただ、この表だけ見てもPixel6aの凄さはいまいち伝わらないと思うので今から一つずつ解説させていただく。
1 SoC
スマホの心臓部分でもあるSoCはなんと現行最上位機種のPixel6シリーズと同じGoogle Tensor。性能としてはiPhoneとも普通に張り合えるぐらい高いものになっているため、5万円で買える機種にも関わらず動きのサクサク感は7〜10万円するモデルと同じというチートぶり。
こういう「ミドルレンジ機にハイエンドモデルと同じチップを乗せる」という手法はAppleがiPhone SEでやってきた得意技だったのだが、まさかGoogleまでもこの手段を用いるとは正直思わなかった。これがチップを自社開発する企業のなせる技。
前モデルのPixel5aがミドルレンジ向けのSnapdragon765Gを採用していたことを考えるとほぼ同じ値段でハイエンドモデルと同じ性能を使えるというのは十分お買い得と思わないだろうか?
2 メモリ
これは前モデルと変わらず6GB。まぁミドルレンジのAndroidスマホとしては一般的だし、今回はSoCがかなり強力なので
- ウェブサーフィン
- SNS
- 写真撮影
- 動画視聴
- 音楽鑑賞
あたりの使用用途ではメモリ不足や処理性能不足を感じることはないだろう。この価格帯のモデルでは必要十分。
3 ストレージ
これも最近のAndroidスマホでは一般的になりつつある128GBを採用している。
「別に128GBもいらなくない?」と思っている方もいると思うが
- カメラの高画質化
- サブスクの高音質化
- アプリの大容量化
が進んだ現代のスマホ環境だと自分の想像以上にストレージを食うことが発生しやすく(ストレージ管理の苦手なライトユーザーなら尚更)下手にストレージの少ないモデルを購入すると「全然使ってないのにアプリが入らないんだけど!」といった事態が起こりやすいため、個人的にはこれぐらいの容量を購入した方が安心感があると思っている。
4 ディスプレイ
解像度自体は前モデルと変わらずFHD+(OLED)を採用しつつ、ディスプレイサイズはひと回り小さくなって6.1インチに小型化した。
ここもミドルレンジのAndroidスマホによくあるディスプレイ仕様とはいえ、同じく上位モデルと同等の処理性能を持つiPhone SE(2022)と比べると
- 高解像度
- ベゼルレス
- 見やすい
ディスプレイを5000円ほど安く搭載しているのは大きな強み。
kenboapplegadget.hatenablog.com
余談だがこういうのを見るとますますiPhone SE(2022)の残念さや不遇さが目立つ((ボソッ…
5 カメラ
今回のPixel6aには多くの人が使いやすい「広角+超広角」のデュアルレンズカメラ(背面)と8MPのインカメラが搭載されている。
iPhone SE(2022)と比べると画角の広さや撮影できるシチュエーションの多さで圧勝だし、Pixel5aと比べてもGoogle Tensorの画像処理機能である
- 消しゴムマジック(写真の中に映り込んだ人や物を消せる機能)
- モーションモード(動きのある背景だけを意図的にボカして迫力のある写真を撮影できる機能)
などが使えるようになったためワンランク上の撮影を行うことができる。
Pixelシリーズのカメラ写りが分からない方向けに僕が過去にPixel3aとPixel4を使って撮影した写真の一部を掲載してみた。両機種の価格差は当時の定価で約2倍弱の開きがあるのだが、パッと見た感じ4枚とも同じぐらい綺麗に写っているとは思わないだろうか?(ちなみに1枚目と4枚目がPixel3a、2枚目と3枚目がPixel4で撮影した写真)
何が言いたいのか?それはミドルレンジモデルであっても上位モデルとの差を感じさせないぐらいPixelのカメラソフトは優秀であるということ。加えて今回は画像処理やAI処理に優れたGoogle独自開発のGoogle Tensorまで載っているので、おそらく5万円で購入できる機種の中では最高に近いレベルの写真を撮影できると思う。
6 生体認証
実はPixel6aはこの価格でハイエンドモデルで採用された画面内指紋認証を搭載している。
しかし現状画面内指紋認証は物理式の指紋センサーと比べると
- 精度
- 認証速度
に若干の課題があるため一概に「最高だ!」とまでは言えないが、5万円で買えるスマホとしてみれば価格差が2〜5万円もするようなモデルと同じ機能が搭載されているだけでもかなり大きな価値はある。まぁ「まともに使えるなら」という前提があってのことだが((ボソッ…
7 バッテリー
Pixel6aのバッテリー容量は約4000mAh。容量だけでみればよくあるAndroidスマホと同じで特筆すべき点はない。
強いていうなら前モデル比で性能が大幅に向上した(=バッテリーを食いやすくなった)ことでPixel5aほどのバッテリー持ちの良さは期待しにくいといったことぐらいだろうか...。あとはiPhone SE(2022)と違ってQiのワイヤレス充電に対応していない点が人によってはかなりネックなポイントになってくるはずだ。
8 ネットワーク
最新のWi-Fi6と5Gが使える。ただWi-Fi6はまだしも5Gはその高速さを活かせるサービスやアプリが全くないのが現状なので対応の有無は正直どうでもいい。
9 価格
Pixel6aの販売価格はGoogleストアのSIMフリー版で53900円。
同価格帯のミドルレンジ機と違って
- 上位モデル(7万円)とほぼ同じ性能
- 上位モデルとほぼ同じ写り方と使い方ができるカメラ
- 大きく見やすいディスプレイ(OLED&ベゼルレス)
- そこそこのバッテリー持ち
- 最大5年間のセキュリティーアップデート(メジャーアップデートは3年)
- 防水&Felica(おサイフケイタイ)付き
- eSIM対応
- 上位モデルを踏襲したデザイン
- 安心安全のGoogle製
これだけの付加価値を抱えながらお値段5万円なのだから物凄くお買い得。
例えばライバルスマホのiPhone SE(2022)と比べてみても
- 性能
- セキュリティーアップデート
- ワイヤレス充電
以外は全てPixel6aの方が優れており、尚且つ価格も5000円ほど安い。しかも5年前のスマホと同じ筐体を流用しているSEと違ってPixel6aの装備は全て現行のスマホ準拠で設計されているため2〜3年使ったとしても不満を感じることは殆どない。仮に定価の5万円で購入したとしても、一般的な使用用途で使うのであれば最後まで不満なく使うことができるだろう。
というかiPhone SE(2022)はまだしも同じAndroidを搭載したモデルの中にPixel6aと同等(もしくはそれ以上)の付加価値を持ちつつ、5〜6万円という価格を達成しているスマホを調べてみてもそんなモデルは存在しなかった。(は!?)
現状
- 価格
- 装備
で唯一対抗できるかなというスマホがXiaomiのMi11 LiteとMi11Tぐらい。しかしこの価格帯のスマホを買うことが多いであろう一般人の目から見れば
のどちらが購入しやすいかなんて一目瞭然。おそらく余程の物好きでもない限りはPixelもしくはiPhone SE(2022)を購入するはずだ。何故なら
「細かなスペック<<<<<<<<キチンと使える(使いやすい)安心感」
の方が大事だから。
今回の総括
Pixel6aはiPhone SE(2022)キラー。予算5〜6万円スマホの決定版。
そんなわけでおそらくPixel6aの唯一にして最大のライバルはiPhone SE(2022)のみで、同価格帯のAndroidスマホはもれなくPixel6aに駆逐され「ミドルレンジ帯」と呼ばれる5〜6万円のAndroidスマホ市場はGoogleの一人天下になる気がする。
そもそも
でお値段5万円はどう考えてもおかしい。Appleさえも成し遂げれなかったことを軽く実現するのやめてもらって良いですか?(大嘘)
ということで今後僕は「5〜6万円のスマホで何かおすすめのモデルある?」と聞かれたらとりあえず
- Pixel6a
- iPhone12 mini(未使用品)
をオススメしていきたいと思う。いやぁ...それにしてもここまで完成度の高いスマホを安く手に入れられるなんて良い時代だなぁ。
今回は以上だ。ではまた次の記事で。