テレビの音質を手軽にアップグレードする手段としてここ最近人気のサウンドバー。
今回は普及価格帯の2万円でコスパが高いと名高いDENONの「DHT-S217」を購入して1ヶ月間使ってみたので、その感想をレビュー記事としてまとめていく。
果たして2万円最強と言われる人気サウンドバーの実力はいかに?
- まずは結論 コストパフォーマンスは高い。立体音響は微妙。
- 初めに「DENON DHT-S217」を購入した理由
- 開封と付属品チェック
- 「DENON DHT-S217」を1ヶ月使った感想
- 今回の総括 全体的には完成度の高いサウンドバー
まずは結論 コストパフォーマンスは高い。立体音響は微妙。
いつも通り結論からお話しすると、2万円台のサウンドバーとして
- 音質
- 機能面
は同価格帯の他社製品と比べて優れていると思う。
ただ、セールスポイントである「Dolby Atmos対応による臨場感あふれるサラウンド体験」は正直微妙だった。
上位機種と違ってあくまでも擬似的に5.1ch(もしくは7.1ch)の音域を再現しているだけに過ぎないので、それこそ映画館のDolby Atmosコンテンツのような「音に包まれる感覚」にはならなかった。
まぁ「2万円のサウンドバーに何を求めているんだ」と言う話ではあるのだが、個人的にはDolby Atmosのサラウンド感を味わいたいならサラウンド専用スピーカーを搭載している上位機種「DHT-S517」を買った方が幸せになれると感じた。
とはいえ、あくまでもガジェオタ視点で見て気になる部分があるだけで、2万円台のサウンドバーとしては多くの人が十分と感じる音質と機能性を持っているし、何より価格を含めた導入ハードルが低いのはサウンドバー購入を考える全てのユーザーにとって魅力的なことだと思うので
- 初めてのサウンドバーで何を買えばいいのか分からない
- 今使っているテレビの音質を手軽にアップグレードしたい
などの理由で「とりあえず購入!」というのも全然アリだと思う。
初めに「DENON DHT-S217」を購入した理由
結論を先に書き終えたところで、何故僕が数あるエントリーモデルのサウンドバーから「DENON DHT-S217」を選んだのかを語らせて欲しい。
1番の理由は「テレビ音質改善」
実は最近4K65インチのテレビを購入した。
kenboapplegadget.hatenablog.com
予算の都合上そこまで高いモデルは買えなかったので、機能最小限のエントリーモデルなのだが、価格に対してできることが多いので総合的には非常に満足していた。ただ...
エントリーモデルが故に内蔵スピーカーの音質が微妙なのが気になってしまった。
もちろん実売価格8万円であることを考えれば十分なスピーカー性能なのは理解しているが、どうしても
- アニメ視聴
- SwitchやPS5でのゲームプレイ
では特に低音不足が気になって仕方がなかった...
今回たまたま内蔵動画配信サービス機能のレスポンスの悪さでセットトップボックスの購入を考えていたのと
「せっかくの大画面テレビなのにスピーカーの音質が見合っていないのはダメだろ」
という理由からセットトップボックスと合わせてサウンドバーの購入を検討することにした。(ちなみにこの時購入したChromecast with Google TV 4Kのレビュー記事はこちら)
kenboapplegadget.hatenablog.com
予算2〜3万円で探した結果DHT-S217に辿り付く
この時PS5の購入を考えていたこともあり予算は2〜3万円、かつ引っ越しても持ち出しやすいようにサウンドバー型で良さそうな製品がないかと探した結果、出てきたのが「DENON DHT-S217」。
調べてみるとこの価格帯のサウンドバーでは一番売れている商品らしく、2万円台では珍しい
などの装備もついていて、価格を考えると至れり尽くせりでかなり良さそう。
HDMIポートが2つしかないテレビを使っている人間としては、テレビ側のポートを消費せずに映像を出力できるのは十分魅力的だったのと、この価格帯にしては少ないDolby Atmos対応の実力が気になったので、ひとまず購入してみることにした。
開封と付属品チェック
外箱はこんな感じ。
白色をベースに製品の写真と対応規格が色々書かれている。
箱を開けると付属品と本体が綺麗に収まっていて
右側には
左側には説明書類がまとめられていた。2万円の割に付属品は充実している印象だ。
それでは本体を見ていこう。
外観チェック
「DENON DHT-S217」の外観はこんな感じ。
正面はインテリアに馴染みやすいファブリック調の素材で覆われていて、中央にはDENONロゴ。全体としては普遍的なサウンドバーのデザインといった感じで特に尖った特徴は少ない印象。
本体中央上部には電源ボタン類が一箇所にまとめられている。基本的にはリモコンでの操作になるので、このボタンを使うことはほとんどない。
本体左右にはウーファーで生み出した低音をさらに強調するためのバフ
そして本体下部に低音を生み出すためのウーファーが2機備え付けられている。ウーファーのサイズは結構大きいため、低音の迫力には期待ができそうだ。
本体背面には
が一箇所にまとめられていて、配線の取り回しがしやすくなっている。
手持ちのテレビと接続
DHT-S217とテレビの接続は超簡単。
あとは「ARC」と書かれているテレビ側のHDMIポートと
サウンドバーの「TV」と書かれたHDMIポートを付属のHDMIケーブルで接続するだけ。
無事接続すると本体正面のLEDランプが白く光る。たったこれだけでテレビとの接続は完了だ。
他にもAUX端子や光デジタル端子を使った接続方法もあるのだが、今回紹介したHDMIケーブルによる接続は
- 音量調整
- 電源のオンオフ
がテレビのリモコンで全て操作出来て非常に使い勝手が良いので、よっぽどのこだわりが無い限りはこちらの方がオススメ。
基本的にここ5年以内に発売されたテレビなら必ず1つはHDMI連動に対応したポートがあるはずなので、ぜひ手持ちのテレビをチェックしていただきたい。(僕が使っているエントリーモデルの4Kテレビですら対応しているし)
「DENON DHT-S217」を1ヶ月使った感想
なんだかんだ開封から1ヶ月近く使い込んで分かった良い所、悪いところをお伝えしていく。
果たして2万円台の高コスパサウンドバーの実力はいかほどなのか?
1 全体の音質は良い
まず全体的な音の質感は2万円という価格を考えれば必要十分以上の良い音質だと感じた。
どの音もバランス良く聞こえるようなチューニングがされながらも、低音は2つのサブウーファーがしっかり鳴らしてくれて迫力不足を感じることは無い。
- テレビ視聴
- 動画視聴
- 映画鑑賞
- ゲーム
どの用途で聞きやすく、個人的にはかなり好きな音だ。
仮に「もっと低音の迫力が欲しい!」という場合でも別途アンプ内蔵のサブウーファーが接続できるので、大多数のユーザーは基本的な音質面で不満を感じることはないだろう。
2 調整機能もそこそこ充実
元々の音質が良いことに加え調整機能が優秀なのも「DENON DHT-S217」の素晴らしいポイントだと僕は思う。
音量とは別に
- ウーファーでどれだけ低音を聴かせるか
- 音質向上の内部処理をどれだけ行うか
を別途設定出来るし
- 映画用
- 音楽用
- 就寝(夜間用)
それぞれに最適なサウンドモードの用意もあるため、かなり自由に且つ自分好みな音質にできるのは非常にポイント高かった。
ただ、サウンドモード切り替えについてはリモコンを使って都度切り替えないといけないので、個人的にはコンテンツに合わせて自動切り替えしてくれるオプションがあっても良いと感じた。
3 拡張性の高さも良し
最大4K60fpsをサウンドバーに入力してテレビに出力したり、外部のサブウーファーをつなげる拡張性の高さも評価したい。
特にHDMIパススルー機能はHDMIでサウンドバーを接続しても、実質テレビ側のポートを潰さずに済むので、HDMIポートが少ないテレビを使っているユーザーとしては神機能。
4 サラウンド感は微妙
さて、この「DENON DHT-S217」の特徴であるDolby Atmos対応だが...
冒頭でもお話しした通り、正直期待していたほど音の立体感は感じられなかった。
一通り各種デバイスの設定はDolby Atmosに最適化した上で対応コンテンツを視聴したり、ゲームをプレイしてみても、Dolby Atmosと聞いてイメージする
- 音が降り注ぐ
- 四方八方から色んな音が聞こえる
といった体験は出来なかった。体感としては
「標準状態よりも気持ち音の広がりを感じるかな...」
ぐらいのレベルで期待するほどではないと感じた。
そもそものスピーカー数が足りていないことに加え、足りていないスピーカーに関してはAIを駆使したバーチャルでの再現になるので、ガチのシステムと比べてサラウンド感が薄いのは当たり前の話なのだが...
バーチャルで再現するにしても上方向に音を出す専用のスピーカーがないとダメな気がする。質の高いサラウンド感という意味では上位モデルの「DHT-S517」の方が優れているなと感じる。
5 モバイルアプリが欲しかった
- 各種操作と設定
- イコライザの変更
- ファームウェアアップデート
が出来る機種もある中で「DENON DHT-S217」はそういった機能に非対応。というかそもそもDENON自体がアプリをリリースしていないっていう...
ライバルのYAMAHAはこの価格帯でもスマホアプリによる操作に対応していることを考えれば、DENONにも頑張って欲しかった感はある。
今回の総括 全体的には完成度の高いサウンドバー
Dolby Atmosやアプリ非対応な点など一部気になる部分はあれど、サウンドバーとしての完成度は非常に高く、価格や設置のしやすさを考えれば十分満足できる製品だと思った。売れているのも納得。
本当に「これでいいんだよ感」をうまく体現できていて、DENONマーケティング力の高さを感じる一台だった。
もし2万円台でサウンドバーを探していて「何を買えばいいか分からない!」と困っているのであれば、とりあえずこれを買っておいて損はないと思うので、ぜひ検討してみてほしい。
今回は以上だ。ではまた次の記事で。