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以前の記事でお伝えした通り、パソコンと組み合わせて使うヘッドアップディスプレイとして「Meta Quest3」を購入したのでレビュー。
拡張バッテリー込みでもVision Proの6分の1で買える本製品の実力は如何に?
それでは今回も行ってみよう。
まずは結論 これ買っておけば間違いないが、細かな不満点もあり
まずいつも通り結論から。
「とりあえずこれ買っておけ」と言えるほど完成度は高い。
細かな不満点はあれど価格と出来ることのバランスを考えれば概ね満足出来る
そんな製品だった。
Vision Proと違い3世代に渡る改善が施されていることもあって初期状態でも
- ハードウェア
- ソフトウェア
ともに洗練されていて、満足度はかなり高い。
それでいながら最安モデルの128GBは約7万3000円、上位モデルの512GBでも9万5000円で購入できてしまう。もちろん金額自体は決して安いものではないとはいえ
- 同じようなことが出来るVision Proの値段が60万円する
- 約7万円で買える製品として非常に完成度が高い事
を加味すれば後述する細かな不満点はあれど「とりあえずこれ買っておけば間違いない」といえるぐらい十分コストパフォーマンスの高い製品だと僕は思う。初めてのヘッドセットデバイスとして非常にオススメだ。
初めに Meta Quest3の特徴
このMeta Quest3はその名の通り、Meta社が発売するスタンドアローン型VRゴーグル「Questシリーズ」の第3世代にあたる製品だ。
2020年に発売された「Meta Quest2」の後継機として10月から販売開始された本製品は3年間のブランクを払拭するようなスペックの底上げが行われているのだが、その中でも特徴的な進化点が以下の2つ。
1 パススルーがフルカラー化
Meta Quest3最大の特徴とっても過言ではない機能がこれ。
この手のVRゴーグルにはパススルー機能と呼ばれる周囲確認のための機能が搭載されているのだが、今回のMeta Quest3ではその機能が大幅強化。先代のQuest2と比べて画質が大幅向上しただけなく、フルカラー表示にも対応したことでかなり実用性が上がった。
Quest2とQuest3のパススルーを比べればその差は一目瞭然。明らかに画質が上がっていることがお分かりいただけるはず。
これによりMR(複合現実)アプリとの親和性がより向上している。
2 より視野角の広い「パンケーキレンズ」の採用
さらに言うとレンズ部分も「パンケーキレンズ」と呼ばれるものを採用している。
このレンズはQuest2と比べてより広い範囲でコンテンツがくっきり見えるだけでなく、Quest3本体の小型化にも寄与している素晴らしい代物なのだが
今までは16万円する最上位機種「Quest Pro」にしか搭載されていなかった
それが約1年で値段は約半額のモデルに搭載されたことを考えると、いかにMeta Quest3のコスパが優れているかが分かると思う。
他にも色々進化してる
その他も挙げるとキリがないが
- SoCが最新世代の「Snapdragon XR2 Gen2」へアップグレード
- 片目あたりの画面解像度が向上
- ダイヤルによる無段階の瞳孔間距離設定が可能に(Quest2は3段階のみだった)
- バンドの付け心地向上
- 本体の薄型化とデザイン変更による付け心地向上
- 内蔵スピーカーの音質改善
などQuest2からほぼ全ての面が進化、強化されているのがこの「Meta Quest3」なのだ。
今回は128GBモデルをレンティオにて購入(レンタル)
そんなMeta Quest3を今回僕はレンティオでレンタルしてみることにした。
というのもこの手の製品は新しすぎて途中で手放す可能性も十分考えられたから()
自分の生活に溶け込めるかを最小限の金で検証する意味も込めて、とりあえずレンティオでレンタルする形をとった。
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まぁ、レンタルといっても途中でお金を払えば自分のものにできるので、ルンバと同じように「これはいける!」と確信したら買い取って自分のものにするつもり。
開封
注文した翌日にはきっちり梱包された状態で届いた。
ぱっと見の印象はよくある段ボールだが、よくよく見てみると返却するときのことも考えた作りになっているのが素晴らしい。
丁寧に作り込まれた外箱を開けると色々な書類が入っていた。
この辺りは本当に丁寧な印象だ。
そして書類の下にはお待ちかねのMeta Quest3が
Meta Quest3の外箱はこんな感じ。
本体色の白を基調としながら正面にはQuest3本体とコントローラーが描かれていて
上部にはMeta社のロゴマークのみと非常にシンプル。
それはスリーブから箱を取り出して
いざ開封
箱を開けると早速Quest3本体とコントローラーがお出迎えしてくれる。
上部には設定管理用アプリのQRコードとバンドの付け方がイラストで解説されていた。
付属品チェック
一旦本体とコントローラーには退いてもらって付属品チェックをしていこうと思う。
とはいっても付属品自体は最小限で
- 充電ケーブル(Type-C)
- 電源アダプタ
- コントローラー交換用電池(単3)×2本
- クイックスタートガイド
のみ。Quest3と同じ白色で全てまとめられていて統一感がある。
外観チェック
Meta Quest3の外観は非常に特徴的。Quest2のように白を基調としているが、全面にはフルカラーのパススルー対応のカメラと深度センサーが横並びになっているので、一眼見てQuest3だと分かる。
右側面には
- 充電&通信用USB-Cポート
- 電源ボタン
逆側には有線イヤホンを接続するためのイヤホンジャック
下側には
- 音量調整ボタン
- 充電ドック接続用ポート
- 瞳孔間距離調整ダイヤル
がまとめられている。
付属バンドはナイロン性の柔らかいものになっていて、後ろ側にある2本に分かれたバンドを引っ張ることで締め付けレベルを調整することが可能だ。
コントローラーは左右独立型で非常に握りやすい形状
左右それぞれにはジョイスティックが一つとボタンが3つ
トリガーが2つ付いており、対応するゲームやヘッドセットの操作を行うことが出来る。
ちなみに側面にあるボタンを押すことで
電池蓋が外れ簡単に電池を交換できるような作りになっている。
実際に使ってみる
設定自体はとても簡単で
- アプリを入れてMetaアカウントを作成する
- フィット感の調整や瞳孔間距離の設定行う
- スマホと連携させる
であとは画面の指示に従うだけ。Meta公式の解説動画を見ながら10分程度でセットアップが終了して使えるようになった。
手だけでも操作感はかなり良い
まず初めにMRモードでウィンドウをグリグリ動かしてみたのだが、思ったより操作性が良くてびっくりした。
ハンドトラッキングの精度が高いおかげでポインターでウィンドウを自由に動かせるし
iPadを持つようにウィンドウを直接掴む、そのままタッチして操作も可能。
「新感覚の操作感」というよりは「既存デバイスの操作感に新しい操作をいくつか追加しました」という感じで、慣れればかなり直感的に操作することが出来る。
それこそImmersedのようなMR対応アプリとの親和性は抜群。わざわざコントローラーを使わなくても手だけである程度操作することが出来るのは気軽で良い。
パススルーに過度な期待は厳禁
とはいえ
肝心のパススルー機能の出来は期待するほどのものでは無かった
というのが正直な感想。
確かに白黒表示だったQuest2と比べればフルカラーになって実用性はかなり上がっているのだが
- 全体的にノイズが多い(暗い場所に行けばもっとひどくなる)
- 色味も若干おかしい
- 手元にあるオブジェクトの周りが歪む
など違和感なく使おうとするとまだまだ課題は多い。
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個人的にパススルーの鮮明さ、違和感の少なさは現状Vision Proの一人勝ちな気がしている。値段が違いすぎるので多くは望まないが、せめてヘッドセットを付けたままでも違和感なくスマホが見れるレベルまでパススルーの画質を上げて欲しいところ。
VRモードはとても快適
一方VRモードの方は操作性含め非常に快適。
MRモードのように手元が歪むこともないし、画質の悪さも感じない。
さらにコントローラーの精度も良く、パンケーキレンズのおかげでディスプレイもはっきり見えるので、Beat Saberのような動きの激しいゲームをしても全然問題無い。この辺りは流石と言ったところだ。
単体で動作するのは楽
PC VRやPS VRのように面倒な配線や動き回るにあたって邪魔なケーブルはゼロ。バッテリー残量があればつけるだけでコンテンツに没入できる。
これが本当に楽で良い。
バッテリー持ちは微妙
Meta Quest3は本体に約5000mAのバッテリーを内蔵しているのだが、スマホなんかと比べるとマジでバッテリーがもたない。
実際外に持ち運んでImmersedの仮想ディスプレイを使ったPC作業をしてみたら、ほぼ1時間でバッテリーを使い切ってしまった。冷静に考えて1分間に1%ずつ消費しているのってやばくない...?(語彙力)
僕の場合は純正のバッテリー付きエリートストラップを購入してある程度解決したものの、それでも劇的に良くなったわけではないので、ここばかりは時期型での改善をまつしかない...
色々言ったけど完成度は高い
さて、ここまで思ったことを色々言わせてもらったが、僕自身Meta Quest3の完成度は値段と出来る事を考えるとめちゃくちゃ高いと思っている。
- まともに使えるハンドトラッキング操作
- 豊富なコンテンツ
- 綺麗で見やすいディスプレイ
- サクサク動く本体
- 何よりヘッドセット単体で完結する気軽さ
これら全てを兼ね備えて7万円という値段が安い...かどうかは各々で判断してもらうとして、少なくとも初めからここまで完成しているヘッドセットはなかなかないと思う。
何度も言うが同じような事ができるApple Vision Proの値段は60万円スタートだ。それで言うと若干快適度は下がるとはいえ、7万円(バッテリーパック付きで10万円)でMRを体験できるMeta Quest3の価値は十分あるのではなかろうか?
今後の課題はパススルーとバッテリー持ちの改善
強いて言うならパススルーとバッテリー持ちは今後の次期モデルで絶対に改善して欲しい。
特にパススルーはMRアプリを快適に利用するためにもアップグレードは必須なので、センサー類を一新するなどして、どうにかしてほしい
今回の総括 とりあえずこれ買えばOK
もしMR生活を始めたいならMeta Quest3は非常にオススメだ。
とりあえずこれ買っておけば間違いない
出たばかりのVision Proと違ってBeat SaberやImmersedといった有力アプリが既に出揃っているし、手での操作やパススルーも細かな不満点はあれど普通に使える。何より値段がVision Proの6分の1とお安いのも魅力だろう。(それでも7万円するが)
「7万円出すの厳しいよ...」という人はレンティオをはじめとするレンタルサービスを活用すれば7000円でお試しもできるし、そういう意味でも入門機として非常にオススメできる。
今回は全体的なレビューを行ったが、今後はImmersedの使用感やMR機能をもっと使い込んだ感想をレビューしていこうと思うので、楽しみにしていただければ幸いだ。
今回は以上だ。ではまた次の記事で。