ケンボウのガジェット部屋(旧Apple大好き.com)

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【長期使用レビュー】Google Pixel9 Pro XLを2週間使って分かった良いとこ、悪いとこ【買うなら9 Proがオススメ】

kenboapplegadget.hatenablog.com

自分の手元にPixel9 Pro XLが届いて2週間。開封レビュー時には検証できなかったカメラ性能やバッテリー持ちなど長期使用でしか見えない良いところ、悪いところが分かってきたのでレビューする。
それでは今回も行ってみよう。

 

 

 

まずは結論 購入するならPixel9 Proがオススメ

いつも通りまずは結論から。

魅力的な1台だが人を選ぶスマホ。買うなら9 Proがオススメ。

今回のPixel9 Pro XLはデザイン刷新に加え

  • Gemini Nanoが統合された新SoC「Tensor G4」搭載
  • メモリ容量アップ
  • 画面輝度アップ
  • 素早いロック解除が可能な超音波式画面内指紋センサー搭載
  • 顔認証がクラス3へ進化(端末内決済やアプリ内ロック解除等で利用可能に)

など細かな部分が改善、強化されたことでスマホとしての完成度が上がったのはもちろん、Pixel8の時に感じていた「無味無臭感」も払拭され、現在のスマホ市場の中でも魅力的な1台になったのではと思う。

とはいえ

  • 取り回しに若干コツが必要な6.8インチディスプレイ
  • 一番安い128GBモデルのSIMフリー版でもお値段は約18万円

する事から9 Pro XLは良くも悪くも人を選ぶモデルと言わざるを得ない。現状だとXL固有の機能もないし

僕としてはスペックと価格のバランスが最も取れている9 Proの購入をオススメしたい

 

ちなみに Pixel9 Pro XLのスペック

先代のPixel8 Proとざっくり比較するとこんな感じ(強化ポイントは赤文字化している)

  Pixel9 Pro XL Pixel8 Pro
SoC(CPU) Google Tenor G4 Google Tensor G3
GPU Google Tenor G4 Google Tensor G3
メモリ 16GB 12GB
ストレージ 128GB、256GB、512GB 128GB、256GB、512GB
ディスプレイ LPTO対応WQHD+6.8インチOLEDディスプレイ(1〜120Hz)
最大輝度2000ニト(通常時)、3000ニト(ピーク輝度)
LPTO対応WQHD+6.7インチOLEDディスプレイ(1〜120Hz)
最大輝度1600ニト(通常時)、2400ニト(ピーク輝度)
スピーカー DolbyAtmos対応ステレオスピーカー DolbyAtmos対応ステレオスピーカー
カメラ 広角5000万画素、超広角4800万画素(オートフォーカス対応)、望遠4800万画素(高額5倍ズーム対応)
トリプルカメラシステム
広角5000万画素、超広角4800万画素(オートフォーカス対応)、望遠4800万画素(高額5倍ズーム対応)
トリプルカメラシステム
マイク 内蔵マイク 内蔵マイク
拡張性 USB-C USB-C
付加価値 Felica、ワイヤレス充電、防水、デュアルSIM Felica、ワイヤレス充電、防水、デュアルSIM
生体認証 画面内指紋認証(超音波式)、顔認証(クラス3) 画面内指紋認証(光学式)、顔認証(クラス2)
バッテリー持ち 最大100時間(スーパーバッテリーセーバー使用時) 最大72時間(スーパーバッテリーセーバー使用時)
価格 177900円 159900円

定価10万円以上のハイエンドスマホなので

  • 高性能
  • 綺麗なカメラ
  • ヌルヌル動くディスプレイ
  • 高精度&高速な生体認証
  • Felicaを始めとした付加価値全部

は当然の如く全部入り。特に今年は生体認証の精度と速度が向上していたり、今後のAI関連機能への布石としてメモリ容量が16GBになっていたりと、外観の刷新と合わせて進化が大きい印象を受ける。

しかし、その分値段はさらに上がってPixel9 Pro XLの128GBモデルは定価で約18万円。完全に「コスパの良い機種」とはいえない価格になってしまった。

 

Google Pixel9 Pro XLを2週間使って分かった事

 

1 スペックは十分だが活かしきれていない

スペックについては

  • 電話
  • SNS
  • 動画視聴
  • ウェブサーフィン

が中心の一般的な使用方法なら何も不満を感じる事はない。

崩壊スターレイルのグラフィック設定「高」でも60fps安定するぐらいのスペックはある

ゲームに関しても比較的重めのタイトルである「崩壊スターレイル」をグラフィック設定「高」で遊んで60fpsが安定して出せる。最新のSnapdragon8シリーズやAppleのAシリーズチップと比べれば最高性能が低いとはいえ、殆どの人にとって実用上は何も不自由のない性能だと思う。

ただTensorチップの持つ「AI性能」に関しては開封レビューでもお伝えした通り、日本で使える新機能が少ない影響でフル活用は出来ていない印象。せっかくメモリも16GB積んでいるのだから、今後のアップデートで本体のスペックを活かせる新機能をたくさん追加して欲しいところだ。

 

2 超音波式指紋センサーは神

今回のPixel9シリーズは画面内指紋センサーが光学式から

  • 認証速度
  • 認証精度

に優れる超音波式のセンサーに変わっているのだが、Pixel8以前のものとは雲泥の差を感じた。

今までは1秒程度センサーに指を触れていないと解除されなかったのが、Pixel9 Pro XLであれば一瞬指を触れるだけで即座に認証されるのでめちゃくちゃ楽。より精度が向上した「顔認証」やPixel Watch等を用いた「ウォッチ認証」を活用すればロック解除に手間取る事は殆どないだろう。

 

3 カメラは安定の高クオリティー

カメラの写りも相変わらずの高クオリティーで非常に満足。

カメラソフトのチューニングが秀逸でシャッターを押すだけで美しい写真が撮影出来るし

1枚目が広角レンズ1倍で撮影した写真、2枚目が望遠レンズ5倍で撮影した写真

プロモデルに関しては光学5倍ズーム可能な望遠レンズもついているので、少し遠くの被写体も画質を落とす事なく撮影可能な上に「プロ設定」を使えば

などを個別に設定してマニュアルでの撮影もある程度楽しめてしまう。もう至れり尽くせり。

iPhoneよりも設定できる項目が多く、プロ設定はかなり本格的

Pixel3から続く優秀なソフトウェアに加えてハードウェアも底上げされているので、基本性能と同じく不満を感じる事は無い。使い勝手含め優秀なカメラだ。

 

4 ディスプレイも最高品質

ディスプレイに関しても

  • LPTO対応OLED
  • 120Hz対応(1〜120Hzの可変式)
  • 最大2000ニト(ピーク輝度3000ニト)
  • WQHD+

で不満ゼロ。色味に関してもデフォルトはiPhoneと同じような自然な色味でそこまで違和感はないし、Pixel9シリーズは画面輝度が改善されたことで屋外での視認性も良好。価格に見合うだけの高品質なディスプレイを搭載している。

強いてデメリットを挙げるとするなら、今年の夏のような炎天下で使用を続けると発熱でディスプレイ輝度が直ぐに下がってしまう事だろうか?

まぁこればっかりはPixel9 Pro XLだけに限らず、iPhoneだろうが起こる問題なので仕方がない事なのだが...

 

5 バッテリー持ちはそこそこ

100%から充電して12時間程度使用したバッテリー残量はこんな感じ

大型モデルだと気になるバッテリー持ちは

  • 120Hzオン
  • 自動画面輝度調整オン
  • SNSや動画鑑賞、ウェブサーフィンメイン
  • 外への持ち出しアリ

の使い方で約半日使用して一回目が43%、2回目が56%という結果で「悪くは無いがずば抜けて良くもない」という印象だった。

「スーパーバッテリーセーバー」等を用いればもう少しバッテリー駆動時間は伸びるだろうが、あくまでも一般的な使い方の場合は使った分だけコンスタントに減るので、モバイルバッテリーや電源の用意はしておいて損はないと思う。

(オススメの急速充電器まとめは下記記事から)

kenboapplegadget.hatenablog.com

 

6 AI機能は今後に期待

Pixel9シリーズ目玉のAI機能は今後に期待と言ったところ。

勿論、現時点でも

  • Gemini
  • 各種編集マジック
  • レコーダーの文字起こし機能
  • 囲って検索

など便利なAI機能を使う事は出来るのだが、これら殆どの機能は他のPixelでも利用可能だし、Pixel9シリーズしか使えない

  • オートフレーム
  • 一緒に映る

は日常的に使える機能という訳でもない上に、Geminiや編集機能の一部機能は日本語圏で利用する事が不可能だったりと...

スペックの部分でもお話ししたが、2024年9月時点ではまだPixel9 Pro XLの持つポテンシャルをフルに活かせる機能が存在しないため、ここは早急にアップデートで機能配信をして欲しい。値段の高いプロモデルなら尚更。

 

7 当然付加価値も全部入り

当たり前だが同価格帯のハイエンドスマホについている

  • 防水
  • Felica(おサイフ携帯)
  • ワイヤレス充電
  • デュアルSIM(eSIMとの併用)
  • 長期間アップデート(最大7年間)

は全部入り。

水に濡らしても大丈夫だし、ピッとすれば買い物出来るし、最大7年間は最新OSが提供されるので長く使おうと思えば使える。この辺りはハイエンドスマホとして抜かりない作り込みだと思う。

 

とはいえ Pixel9 Pro「XL」を買う必要はない

Pixel9 Pro XL自体、価格相応の装備と完成度がうまくまとまったスマホであることに間違いは無い。

ただ冒頭でお話しした通り、Pixel9シリーズを検討するにあたってPixel9 Pro XLを選ぶ必要があるかと言われれば、僕個人としては懐疑的な見方をしている。

 

新機能の全てはPixel9 Proでも利用可能

まず今紹介したスペックやカメラ性能、改善点等々は小型モデルのPixel9 Proでも利用出来る。

iPhoneやGalaxyのように大型モデル限定の機能や装備がついているならまだしも、そうでないのなら

このサイズが好き!」という人を除いてXLを選ぶ必要性は皆無と言ってもいいだろう。

値段も下取り等を利用しなければ18万円スタートと勇気のいる金額になっているので、尚更サイズ感が好きな人以外には選ぶ理由がなくなってしまう。

 

6.8インチは取り回しにくい

左から順にiPhone12 mini(5.4インチ)、Pixel8(6.2インチ)、Pixel 9 Pro XL(6.3インチ)

サイズ感に関しても6.8インチのPixel9 Pro XLは6.3インチのPixel8と比べて取り回しにも若干難を感じる。

6インチ前半のサイズは操作性、携帯性、実用性の3つがバランスよく両立されていると思う

こればっかりはトレードオフなのだが、iPhone14 ProやPixel8が採用している6インチ前半サイズと比べると操作性と携帯性には劣る印象。特に携帯性は履くズボンを選ぶ点で割と死活問題。

「だからこそ、このサイズは人を選ぶんだなー」ということを体感させられた。

 

Pixel9 Proには唯一無二の価値アリ

更に言うならPixel9 Proは

「6インチサイズモデルの中では比較的高いカメラ性能を備えたAndroidスマホ

という唯一無二の付加価値があるのも大きい。

実際

  • 5000万画素&大型センサーの広角カメラ
  • 4800万画素の超広角カメラ
  • 工学5倍ズーム可能な4800万画素の望遠カメラ

これら全てを搭載し、ここまで話してきた全ての付加価値を備えたコンパクトスマホAndroidではかなり希少。これだけでも十分買う価値がある。

 

今回の総括 Pixel9 Proが魅力的すぎる

良くも悪くも他モデルと比べて特異性が少ないからこそ、相対的に見てPixel9 Proの方が魅力的に見えてしまった。

勿論Pixel9 Pro XLの完成度自体は高いので、大型サイズ好きな人や従来のプロモデルユーザーにはオススメの1台ではあるが、それ以外の人にとっては全てがバランスよくまとまっているPixel9 Proを買って余った資金をアクセサリに回した方は幸せになれる気がする。