人生7台目の自転車(Panasonic ベロスター)が納車されました pic.twitter.com/yXdS51SbHR
— ケンボウ (@kenbouapple_com) 2023年7月26日
ここ最近訳あって急遽自転車を買い替えなければいけなくなり「どうせなら」と人生初のe-bikeに手を出したので、今回はその使用感レビューをお届け。
クロスバイクからの乗り換えということで双方の違いも見えてきたので、その辺りを中心にまとめていこうと思う。
それでは今回も行ってみよう。
まずは結論
ことを念頭に置いて欲しいのだが、現段階での僕の結論はこんな感じ。
モーターの力は偉大。初速からから強いトルクが出るおかげで20km/h中盤までの加速は快適。ただし高速域にかけての加速は遅めなのでガチのスポーツ走行には向かない
ベロスターに限らず、そもそも電動アシスト自転車自体が街乗りメインで開発された製品ということもあってモーターアシストの入る20km/h中盤までの速度域でストップ&ゴーを繰り返す乗り方はめちゃくちゃ快適な反面、しっかり舗装された道路を30〜40km/hで長時間流すような乗り方は
- モーター
- バッテリー
- 諸々の快適装備
で部品点数と重量が増えている分、中速度域からの加速性能が弱いので向かない印象を受けた。
これが30万円とかするガチのe-bikeであれば話は変わってくるのだろうが、少なくとも
10万円台で買える普及価格帯のスポーティーな電動アシスト自転車
に限って言えば、見た目こそクロスバイクと酷似しているものの、走りの素性や見据えている用途はGRカローラと普通のカローラスポーツHVぐらい全く異なっている(例えが車好きにしかわからないもので申し訳ない)
なので見た目が似ているからと言って安直に選ぶべき品物ではないと僕は考えている。
初めに ベロスターを購入した理由
というわけでいつも通り結論をお話しさせていただいたところで、初めに今回購入したベロスターについて選んだ理由も交えながら簡単に解説していこうと思う。
2種類あるスポーツタイプ自転車の下位モデル
まずこのベロスターは2種類あるパナソニックが販売するスポーツタイプの電動アシスト自転車で下位モデルに当たる自転車になる。
一応、上位モデルとの違いを簡単にまとめておくと
- フロントサスペンションの有無
- 初期搭載バッテリー容量の違い(ベロスターの方が少ない)
- フロントタイヤのクイックヒッチの有無
この3つが主な違いになるのだが、心臓部のモーターや切り替え段数そのものは上位モデルと全く同じなので走りに関しては下位モデルだからといって引けを取らない「コスパの高いモデル」がこのベロスターだ。
実際上位モデルであるハリヤと比べてベロスターは実売価格にして3〜4万円ほど安く購入できるし、有名メーカーが作るスポーツタイプの電動アシスト自転車としては最安値の10万円から購入ができる点でかなりコストパフォーマンスは高いと言って良いだろう。
パナソニック製のe-bikeに決めたのはアフターパーツの多さ
とはいえこの手のe-bikeは何もパナソニックだけが作っているわけではない。電動アシスト自転車のパイオニアとも言えるヤマハや大手タイヤメーカーのブリジストンも大体同じぐらいの価格帯で似たような自転車を普通に出している。
ぶっちゃけどの自転車も似たような感じだが、中でもパナソニックが秀でていたのは「アフターパーツの多さと入手難易度の低さ」。これが他社と比べて圧倒的に秀でていた。
交換用バッテリーはもちろん
が普通にメーカー直売で手に入る。しかもAmazonで。
特に他社と違って交換用バッテリーは2006年以降に製造された自転車全てて共通化されているため、年式別でわざわざ適合するバッテリーを探すという手間も必要無いのは、諸々の諸事情から中古で購入せざるを得なかった僕としてはとてもありがたいメリットだった。
それこそヤマハのe-bikeはボディー形状に溶け込むようなバッテリー形状で見た目はかなり良いのだが、各モデルで専用品になるため後からバッテリーを買い直すとものすごく高いのだ...(見た目は本当にスタイリッシュ)
今回は中古にて購入
そして今回は諸々の事情で中古品を購入した。
ここら辺詳しく話すと長くなるので簡単に説明すると
- 今まで使っていたクロスバイクが突然壊れてしまった(買い替える予定のない自転車を買い替えなければいけなくなった)
- 壊れることを想定していなかったため、カードの限度額もその時点でかなりギリギリ
- 貯金をそこまで切り崩さず、尚且つカードの限度額内で収まる買い方のできるメルカリでの購入を決断
という感じ。
本当は新品で購入したかったのだが、納期と資金の問題で断念。幸いなことにたまたま良個体がそれなりの値段で見つかったので、即購入して今に至る。
パナソニック製電動バイク「ベロスター」に1週間乗って気づいたこと
さて、前置きが長くなってしまって申し訳ない()
とりあえずここからは元クロスバイク乗りがe-bikeに乗り換えてみて感じた感想を両者の走りの性質の違いを語りながら、レビューしていこうと思う。
1 0km加速はバカ速い
- 初めから強いトルクが出せるモーターのアシスト
- 加速時のトルク配分が強めのセッティング
もあって0km/h状態からの加速はめちゃくちゃ速い。
1速からのフル加速なら一瞬で街中をトロトロ流すには十分な15km/hまで加速するし、20km/h中盤までならその後の中間加速もそこそこ良い。
なんだかんだ自転車において一番エネルギーを使うのは加速時なので、その時に低速から強いトルクが出せるモーターのアシストが入るというのは偉大なんだなと強く感じさせられた。
2 巡行も楽
あくまでもモーターのアシスト範囲内に限って言えば加速後の巡行もe-bikeなら比較的楽。(大体30km/hぐらいまで)
出だしからモーターのアシストが入るのもそうだし、何よりも重いギアに入れてても急加速さえしなければギアの変則無しでも快適に加速と巡行を行えるのは大きい。
僕は大体
- 1速(もしくは3速)で発進
- 10km/hになったタイミングで一気にトップギアまで変速して加速&巡行
を行なっているが、フル加速さえしなければモーターアシストのおかげで街中を走る分には十分な加速感は得られる。運転フィールとしてはATのハイブリッド車のような静かで楽な運転を楽しむことができるのだ。
逆にスポーティーな走行を楽しみたい時は1段ずつギアを上げていけばOK。モーターのアシスト範囲内であればギアをスパスパ切り替えながら走って行ける感覚も同様に味わうことができる。(流石にクロスバイクやロードバイクの「それ」ほどではないが)
ここら辺、クロスバイクやロードバイクは加減速に合わせて適切な変速を行わないと加速や巡行がやりにくいことを考えると、重いギアでもある程度の加速力を生み出せるモーターを搭載しているアドバンテージはあるんだなと感じる。
3 快適装備も充実
さらに街乗りでの快適度を上げているポイントとしてさまざまな快適装備がついているのもメリット。
- 衝撃を吸収しやすい径の太いタイヤ
- フロントキャリーを装着可能な金具
- ワンタッチで後輪をロックできるサークル錠
- リアとフロントのフェンダー
- オートライト
- 自転車の走行モードや航続距離等を表示できるインフォメーションディスプレイ
などなどモーターの味付けだけではなく、装備面でも街乗りを考えたものが標準でたくさんついているのだ。
まぁこれらの快適装備で部品点数が増えたことによるデメリットもあるにはあるのだが...
4 快適装備=重量の増加は走行性能の悪化を招く
さて、快適装備がたくさんついていると今お話ししたのだが、言い換えると「部品点数が増えて自転車全体の重量が増える」ということ。特にこれクロスバイクから乗り換えるとよくわかるのだが、本来重量が増えた分は加速性能の悪さとして走りに影響してくる。
具体的にはモーターのアシストが切れる25km/hからの中間加速がだるい。そもそもメインの用途が高速巡行ではなく街乗りよりになっているので仕方がないものの自転車のデザインはスポーティーなものなので少し残念感を感じる...
5 物理的な取り回しは最高に悪い
これも重量増加によるデメリット。クロスバイクやロードバイクと比べると車両重量が2倍以上違うため、物理的な取り回しは最悪だ。
今まで使ってきた格安のクロスバイクでさえ
- 自転車を持ち上げて軽い段差を越える時
- 階段上げしなければいけない時
にそこまで苦労を覚えることはなかったのに、このベロスターはかなり気合を入れないと持ち上げられない。特にエレベーターなしのマンションに住んでいて、部屋上げをしようものなら軽い拷問のような苦痛を味わうことになる。(←経験者)
あくまでも街中を快適に走るための自転車
冒頭でクロスバイクとの違いをガチのスポーツカーとHVスポーツカーで表したのもこの自転車がハイブリッドカーと同じく街中を快適に、燃費良く走るためのセッティングがされているからに他ならない。
パワートレインの設計理念も、標準装備の快適装備の数々も「街中をいかに快適に走れるか」にフォーカスを当てて考えられたものなので、そもそもクロスバイクやロードバイクのように30km/h以上の速度で巡航することなんて想定されていないのだ。(というか車両重量的にその速度で走り続けるのはしんどい)
長距離を走るなら大人しくロードバイクを買うべき
もしあなたが自転車で日常的に10km以上離れたところに行きたいと考えているのであれば悪いことは言わないからロードバイクを買うべき。
「快適装備は少ない」は言い換えれば部品点数が少なく車両重量が軽いということ
「車両重量が軽い」ということは軽いエネルギーで加速が行えるということ
「軽いエネルギーで加速が行える」ということは長距離を少ない体力消費で走れるということ
に繋がるので僕は少しでも長距離を走るのであればロードバイク(もしくはクロスバイク)を買うべきだと思う。
このシステムをフル活用できるのは街中
逆に半径5km圏内の街中をダラダラ乗り回す足としてはこのクラスのe-bikeが最適解。
クロスバイクと比べてクッション性のあるサドルとタイヤは段差の多い路面でも衝撃を吸収してくれる上にパンクする心配をしなくても良いし、出だしから強い加速感を得られるモーターはストップ&ゴーの多い街中で大きな威力を発揮する。
自転車専用道と違って街中だと30km/hの速度を出すのは難しい。故に低速域からの加速が楽なe-bikeの方が街乗りには適していると言えるだろう。
今回の総括
ハイブリッドカーのようなガジェット味に溢れる自転車
なんだかんだ今回e-bikを買うのは人生初だが、車も好きなガジェオタからするとハイブリッドカーを運転しているような操作フィールで運転がとにかく楽しい(語彙力)
それこそエコランプをつけっぱなしの状態でどこまで加速していけるかを試したり、3種類のドライブモードでどれだけ加速フィールが違うのかテストしたり...(ヤバい人)
とにかくパワートレイン的にも普通の自転車よりガジェットに近い代物なので、僕としてはずっと乗っていたくなるような自転車だ。とにかく楽しい。
今回は以上だ。ではまた次の記事で。