kenboapplegadget.hatenablog.com
チップの載せ替えとApple Pencilに対応しただけのマイナーアップデートで終わった先代から1年と半年。まさかのフルモデルチェンジした新型が先日のイベントで満を辞して登場した。
今回は期待の新型こと「iPad mini(第6世代)」のアップデート点について記事にまとめていこうと思う。最初に言っておくがこれはかなり熱い。
それでは今回も行ってみよう。
iPad mini。それは不遇のiPad。
今回のイベントでのメジャーアップデートで大いに話題になっているiPad mini。実は不遇モデルの代表格だった過去があることをご存知だろうか?
そもそもジョブズがCEOを務めていた頃(10インチクラスのiPadしかなかった時代)から小さいサイズのiPadは
「9.7インチより小さいiPadを発売するならヤスリを同梱しなければいけない。指を細くするぐらいじゃないと操作しにくいでしょ?」
といわれていた(実際ジョブズが現役の時代にはiPad miniは発売されていない)上に、その後ティム体制になって1年後にiPad miniの初代は発売されたもののそこからのアップデートは
- iPad mini2→ディスプレイがRetinaディスプレイになっただけ(性能のアップなし)
- iPad mini 3→Touch IDがついただけ(それ以外は進化なし)
- iPad mini4→ようやくディスプレイと性能アップ!!
と地味なものばかり。しかもiPad mini4が出てからは4年間も一切アップデートは無しという徹底された不遇ぶり。
kenboapplegadget.hatenablog.com
やっとのことで発売されたiPad mini(第5世代)もチップ性能とApple Pencilへの対応したのみのマイナーアップデート止まり。あくまでも「iPad mini4を現代でも通じる性能に変えただけ」で一時期はiPad miniシリーズ終売の噂すら囁かれたぐらいの不遇さだった。
と、目を瞑りたくなるぐらいiPadの中でも不遇の扱いを受けてきたiPad miniシリーズだが、先日のイベントで信じられないハプニングが起こった。そう。iPad mini(第6世代)の登場である。
iPad mini(第6世代)って何が変わったの?
一言で言ってしまえば「全部」というほど
- デザイン
- 性能
- 拡張性
が進化。これまでの不遇ぶりが嘘になるほどの「優遇ぶり」で全ての面において大幅なな強化がなされている。
もう少し具体的にいうと
- デザイン→ベゼルレスデザインに
- 性能→最新iPhoneと互角
- カメラ→インカメラ、アウトカメラともに進化
- Apple Pencil→第2世代に対応
- 拡張性→Type-Cになって大幅進化
- スピーカー→iPad Airと同じステレオスピーカーに
- ワイヤレス通信→Wi-Fi6と5G(Cellularモデルのみ)に対応
と言った感じ。今から一つずつ解説させていただくが、正直これだけでも今までの比にならないレベルでの進化があったとお分かりいただけるだろう。
1 デザイン
iPad mini(第6世代)はデザインを刷新。ここ2〜3年のiPadと同じ
- ベゼルレス
- ホームボタン無し
のデザインとなり、第5世代のクラシックな雰囲気からいっぺんスタイリッシュな印象に。
そしてベゼルレス化に伴いディスプレイサイズも7.9インチから8.3インチに拡大。miniのサイズ感そのままに見やすく大きなディスプレイを搭載しているのも大きな特徴だ。
ちなみに生体認証はiPad Air(2020)と同じ方式(電源ボタン統合型Touch ID)を採用しているのでマスクをつけたままでも快適なロック解除をすることができる。
2 性能
心臓部であるチップは最新のiPhone13シリーズと同じA15 Bionic。しかも13Proと同じGPUが5コアのフルパワーバージョン。
従来のA12 Bionicから3世代分のアップデートということで性能面では相当な進化が期待できる。...。が、ぶっちゃけクリエイティブな用途にでも使わない限りはほぼ確実に持て余すレベルの性能なので「性能すげーから買う!!」となる必要はないと思う。一般的な用途であれば先日まとめたiPad(第9世代)でも十分だ。
kenboapplegadget.hatenablog.com
とはいえ!最新のiPhone(10万円以上)と同じチップを積んでいながら6万円はめちゃくちゃ安い。冗談でもなんでもなく「スペックだけ」で見ればiPad mini(第6世代)のコスパはぶっ壊れている。(もちろん単純な「処理性能」だけで見た時の話)
3 カメラ
今までおまけ程度だったアウトカメラ(8MP)は12MPまで向上したことで最新のiPhoneと同じ4K60fpsでのビデオ撮影などに対応。ちなみにiPad Proにしかついていなかったフラッシュもしれっとついている。
もちろんインカメラも12MPまで画質が向上。さらに超広角に対応したことにより、最近流行りのオンラインミーティングなどで役に立つセンターフレームという機能が使えるようになった。
本体サイズ故の取り回しのしずらさから写真撮影することが少ない(=カメラ性能をそこまで重要視しなくてもいい)10インチクラスのiPadと違って、iPhoneと同じ感覚で手軽に持ち運べることが魅力のiPad miniのカメラアップデートは結構嬉しいポイントなのではないだろうか?(実際僕の身の回りにも「iPad mini」だとiPadで写真を撮る人は結構いる)
4 Apple Pencil
遂にLightning端子での煩わしい充電と持ち運びのしにくい第1世代の呪縛から解放され、iPad Pro(2018)から採用された第2世代のApple Pencilがminiにやってきた!
いやぁ...これも嬉しいアップデート。というのもiPad miniは取り回しの効くサイズ感から「即席メモ帳」として有効だし、今後リリース予定のiPadOS 15で実装される「メモアプリ」関係のアップデートと組み合わせることで今まで以上にメモ書きが捗りそうだから。
それを抜きにして考えても
- 充電の手間
- 持ち運ぶ際の管理
を気にしなくてもいい第2世代に対応したのはメリットしかない。
5 拡張性
充電端子はMacBookや多くのAndroidスマホで採用されている汎用規格であるType-Cに変更。パソコン向けの周辺機器をそのまま接続可能になるなどLightningと比べて拡張性は大幅に向上した。使い方にもよるが
- 外付けのLaunchPadを接続して音楽を作る
- 一眼レフで撮影した写真を直接iPad miniに移して編集する
なんてことも出来るようにはなった。
個人的にはType-Cの拡張性よりは「外に持ち運ぶケーブルを少なく出来る(統一できる)」事の方がメリットに感じている。特にMacBook Proで使っている充電器とケーブルをそのまま流用すればiPad mini本体の充電とMacへの接続ができるのが強い。
6 スピーカー
iPad miniも最近のiPadの流れを汲む形でステレオスピーカーに。
ただしあくまでも「横向きにした際に左右から音が出る」タイプなので縦向きで使う際にはモノラルになるということを注意してほしい。(iPad miniはiPhone的な使い方をすることも多いだろうし尚更)
7 ワイヤレス通信
Wi-Fiは最新規格のWi-Fi6、Cellularモデルに関してはmini初となる5Gに対応。ちなみに5G対応は現状iPad ProかiPad miniのCellularモデルのみ。
とはいえこれらは対象地域か規格に対応したWi-Fiルーター等が必要になるため、メリットに感じる人はあまりいないと思う。ぶっちゃけあまり気にする必要はない機能でもある。
価格と発売日
この記事を書いている9月16日現在で既に予約注文は始まっていて、発売日は来週の9月24日。iPhone13シリーズやiPad(第9世代)と同日の発売となる。
価格は一番安い64GBのWi-Fiモデルで59800円。最上位の256GB Cellularモデルに関してはiPad Proに迫る(というか一部構成はiPad Proを超える)95800円。「本体はminiなのに値段はMaxですよ」と言わんばかりのお金がかかる。これだと財布が「Air」になってしまう...
ただ、iPad miniを購入する人のほとんどは「値段<<<<<<<このサイズ感」に魅力を感じて購入するだろうし、先ほども書いた通りスペックだけで見ればこの6万円というのはめちゃくちゃ安い。故にiPad miniを購入する覚悟があるならこの値段を気にする必要はないと思う。(というか気にしたらiPad miniが買えなくなる)
今回の総括
全てのiPad miniユーザーにAppleが贈る「最適解」
今まで苦渋を飲まされてきたiPad miniユーザーの皆さん。これが最適解です。
- スペック
- デザイン
- Apple Pencil(第2世代)やUSB-Cへの対応
などなど...今までの変わったかどうかパッとしないアップデートと比べると100倍、いや1000倍は強化されたiPad mini(第6世代)は長年iPad miniのファンだったユーザーほど購入を検討するべき製品だ。
特にmini4以前のモデルを使っている方は買い替えのチャンス。おそらく今後これほどの特大アップデートはしばらく来ないので迷っているなら即決した方いいと思う(悪魔の囁き)
もちろんこの「小さいサイズ感」故、iPadをはじめて購入される方にはオススメしにくい製品なのだが
と思っている方にはこれ以上の最適解はない。是非とも購入を検討していただければ幸いだ。