Appleは実に14年ぶり以来となるMac用CPUをiPhoneやiPadでも使用されているARM用のものに置き換えていくと発表。そしてAppleの自社製CPUを搭載したMacを今年の年末にリリースすることも同時に予告した。
今回はそんな久しぶりとなるCPUの移行を前に学生Apple信者である僕が思うことを記事にまとめていこうと思う。
それでは今回も行ってみよう。
- まず初めに Appleが過去に行った3つの改革
- Apple SiliconとIntel CPUの決定的な違い
- なのにも関わらずAppleがARM CPUを採用した理由
- 学生Apple信者がMacのARM移行に思うこと
- 今回の総括
まず初めに Appleが過去に行った3つの改革
実はAppleは過去に同じくらい革新的仲改革を3度にわたって行ったことがあるのをご存知だろうか?
まず1つ目はPower PCの採用。Power PCのCPuを本格的に採用していたのは初代iMacがバリバリ現役で働いていたような時代で、その頃Intel製よりも早く動くことを前面に押し出したCMなど展開していた(流石に昔すぎて僕自身も生まれていないし、書籍で軽く触れた程度なので間違っていたら申し訳ない...)
2つ目はOS Xへの移行。 2001年にAppleはスティーブ・ジョブズがCEOを務めていたNEXTという会社の「OPENSTEP」の技術とジョブズを取り入れて今までのUIをベースに多数の新機能を追加したOS Xをリリース。従来のmacOSよりも格段に安定性が向上した。
そして3つ目はIntel CPUの採用。2000年代を過ぎたあたりから徐々にPowerPCの開発の遅れが目立つようになったのもあって2006年の初代MacBook ProやiMacからIntelのCPUが採用された。それによって今までは仮想上でしか動かせなかったWindowsを直接動かせる「Boot Camp」が使用可能となった歴史がある。
つまり今回のApple Siliconへの移行はAppleがMacに行ってきた改革の4回目にあたる。
Apple SiliconとIntel CPUの決定的な違い
「『CPUが変わる』なんて大したことないだろ」と思われる方もいるかもしれないが今回発表された「Apple Silicon」と今までの「Intel CPU」には決定的な違いが存在する。それが「CPUの構造の違い」
Apple SiliconはiPhoneやiPadで採用されている「ARM」というタイプの仕組みを採用しているため直接的に今までのIntel CPUとの互換性はない。Apple自身は「今までIntelのCPUで動作していたソフトはOS上でうまい具合に変換するからそんなに問題ないよ〜」と言ってはいるがそれはワイングラスでビールを飲むようなもの。互換性等の問題で若干使い勝手が違ってくる場合がある。
またARMアーキテクチャーは一般的なパソコン用CPUに比べて消費する電力がものすごく少なくその分バッテリーの持ちに優れている特徴がある。ただ逆に言ってしまえば消費電力が少ない代わりにデスクトップ用CPUほどの性能を出すのが難しい。故に現状はゴリゴリの性能を必要とするグラフィックデザイナーやクリエイターさんには全く不向きなCPUと言ってもいい。
なのにも関わらずAppleがARM CPUを採用した理由
ここで出てくる当然の疑問。
「なぜAppleは現状でメリットの方が大きいARMをMacに採用すると決めたのか?」
持つろんそれには明確な意思がある。よくよく考えれば今のガジェット市場で最も多くの人の使われているデバイスはスマホやタブレットなどARM CPUを採用した製品がほとんど。(AppleでいうところのiPhoneとiPad)Appleの場合App Storeという優れたプラットフォームとiPhone、iPad、Macなど各製品感を繋ぐ連携機能がたくさんある。
つまり、今回のアップデートはAppleはiPhoneやiPadの資産を活かすためのもの。なぜならMacにiPhoneやiPad同じCPUを採用するということは現在iPhone用のApp Storeで出ているアプリをそのまま動かすことが可能になるからだ。
さらにAppleには今までiPhoneとiPadのCPUを自社開発してきたノウハウがある。だからこそAppleはMacのCPUも自社開発のものに置き換えるという判断を下すことができたのだろう。
学生Apple信者がMacのARM移行に思うこと
1 今まで以上にiPhoneとiPadの連携機能・新機能の実装が進む
僕が一番期待しているのはこれまで以上にMacとiPhone・iPad間でシームレスな連携機能が実装されていくのではないかということ。
技術上はiPadやiPhoneでもmacOSの機能の一部やもしかすればアプリをそのまま移植できるわけでiPhoneはOSの高機能化につながるし、iPadは従来よりもさらにパソコンライクな使い方ができるようになる。
MacもiOS系統のUIやアプリをそのまま移植できることで今までパソコンに関心がなかった層を取り込めるチャンスを作ることができる。プロユーザーならまだしも一般ユーザーにとってはメリットがあると思っている。
2 MacBook 12インチの復活
2015年から発売されその軽さとサイズ感で一部の層から絶大的な人気を誇るMacBook 12インチ。
20207月現在は新モデルの登場はないが、もしかするとApple Silicon搭載Mac1号機として復活するかもしれない。むしろMacBook12インチこそが現状Apple Siliconを搭載したMacとしては適任だろう。
先ほども書いた通りARMアーキテクチャはとにかく性能が低い。IntelでいうところのCore M相当レベルだ。だからこそそこまで高負荷な作業を行わないMacBook 12インチを復活させることで「史上最軽量のMacの再誕」とApple Siliconの普及を図れるのではないだろうか?
なんだかんだ言ってMagic KeyboardをつけたiPad Proでもパソコンの代わりに取って代われていないのが現状なのでフルサイズのOSを簡単に持ち運べるMacBook 12インチはフルサイズのOSを搭載している点で大きなアドバンテージになるはずだ。
3 Windowsを動かす際の互換性問題再び
正直最初の方はARM MacでWindowsを動かすには仮想化ぐらいしか方法がないと思う。というのも2020年6月現在ARMでネイティブに動作するWindowsの単体販売が行われていないから。
一応ARMアーキテクチャでも動作するWindowsを積んだ機体としてMicrosoftが販売しているSurface Pro Xという機体が存在しているが、正直それぐらいでそれ以外に有名なARMアーキテクチャでネイティブに動作するWindowsを積んだ機体を聞いたことはない。
CPUの構造上現在販売されているWindowsを直接ARM Macで動作させるのは不可能。個人的にはこの機会にMicrosoftにはARMで動作するWindowsのバージョンを単体発売して欲しい。
4 今までのソフトがどれぐらい動くのか?
先ほどのWindowsの互換性問題と似たこととして既存のMacソフトがどれぐらい動作するのかが気になるところ。
Apple自身も互換性についてはほぼ問題はないとしているがどれぐらいのソフトがうまく動作するのか...
5 スペックってどうなの?
そして最後の気になるのはスペック。一般的にARMアーキテクチャのCPUはスマホなどそこまで性能を必要としないような端末に採用されることが多く、先ほども書いた通りパソコン用CPUほどの性能が出せるわけではない。
kenboapplegadget.hatenablog.com
よく見てみると発表会の実機デモでも実はそこまでスペックを必要としない作業をやっていたし...うーん実際どれぐらい快適に動いてくれるのだろうか?
今回の総括
最初に何かしらの問題が起こるのは間違いなし。ただ今後のAppleの改善に注目
互換性問題やWindows問題など初期の方は必ず問題が起こることだろう。しかしAppleもAppleなりにMacへ改革を起こそうとしているのだから厳しいことを言いながらもこれからのAppleの動きを見守っていきたい。
今回は以上だ。ではまた次の記事で。