昨年のmacOS Catalinaから提供されたiPadをMacのサブディスプレイにできる「Sidecar」。発表された当初から気になってはいたのだが、なかなか試せずにいたためレビューすることが難しかった...
今回はついにMacBook Pro(2017)Touch Bar無しモデルを手に入れることができたので、Sidecarの使用レビューと他社のアプリとの違いについて触れていこうと思う。
それでは今回も行ってみよう。
Sidecarとは?
超簡単にまとめて仕舞えば「iPadをMacの高性能ワイヤレスディスプレイとして使う事ができる」機能のこと。
iPadをサブディスプレイにするのでApple Pencilでの書き込みができるようになったり、Touch Barを搭載していないMacBookでもTouch Barと同等の機能が使えたりと様々な点で作業効率を倍にする事ができる。
しかも、AppleがOSレベルでサポートしてくれる機能というのもあって、他社製のアプリやドングルよりも接続の安定さや簡単さが最大の魅力と言ってもいい。
Sidecar使用感レビュー
1 接続安定性が高い
今までもduetやLunaDisplayなどからiPadをサブディスプレイ化するアイテムは販売されてきたが、どれも接続の安定性に欠けたり、接続に時間がかかってしまうものが多かった。
しかし、このSidecarでは接続がカクついたり遅延を感じることがほとんどない。普通にSidecarを起動した状態のiPadでYouTubeの動画が見れてしまうぐらいだ。
僕もこのMacBookを買う前にduetを買い、カクツク画面や遅れるカーソル描写を見て「iPadのサブディスプレイってこんなものなのか...」と失望しかけていたのもあり、Sidecarの安定性には「これだけしっかりとサブディスプレイとして使えるんだ!!!」という感動を覚えた。
2 Apple Pencilが使える!!
もちろんAppleが公式でサポートしている機能なのでPhotoshopなど対応してるアプリならApple Pencilの機能をフルで使うことが可能。
これでApple Pencilの持つ繊細なタッチを機能の多いMac版のアプリで使うことができるので、クリエイター系の方の受けはいいと思う。
3 作業効率をどこでも上げることができる
デュアルディスディスプレイの最大の特徴は作業効率を上げることができることなのだが、Sidecarはデュアルディスプレイの恩恵をどこでも受けることができるようになる。特に13インチのMacBookと10インチクラスのiPadの組み合わせが秀逸でそこそこ大きいディスプレイを簡単に持ち運ぶことができるので、どの場所にいても高速で作業をこなせる。
実際Sidecarを使った方がブログの執筆画面を動かすことなく画像を読み込んだり調べ物が可能なため、明らかに作業効率はいい。
4 iPad側の切り替えも早い
Sidecarを使っている状態でiPadのホーム画面に戻るとこんな風にSidecarは1つのアプリとして認識されている。
故にタブレットとしてiPadを使おうとした時の切り替えもiPad上のアプリを閉じる感覚と同じようにホームに戻って、再開したい時はdock上のアプリを開くだけとiPad側の使い勝手も損なわないようなUIになっている。しかも再度立ち上げた時の復帰もめちゃくちゃ早い笑
最後に...Sidecarの注意点
これだけ使い勝手が優れているSidecarにも注意点はある。最後にSidecarを使う上での注意点をまとめておこうと思う。
1 対象機種でないと使えない
Sidecarの最大の注意点というかデメリットは「対象機種でないと使えないこと」そう。このSidecarは全てのMacとiPadで使える機能ではない。
対象のMacは
でiPadの方は
- 2016年以降のiPad Pro(9.7、10.5、12.9)
- 2018年以降のiPad(9.7、10.2)
- 2019年以降のiPad Air(10.5)
- 2019年以降のiPad mini(7.9)
とApple Pencil対応のiPadが必要になるのと、Macも第6世代のIntelCPUを搭載したMacでないとSidecarを使うことはできない。たとえ最新のOSのアップグレード対象であってもだ。
ぶっちゃっけMacはいまだに2013年〜14年のモデルも現役で使っている方も多いので最新のMacBookとiPadだけサポートするのはずるい気がする...
2 タッチパネルでの操作はサポートされていない
SidecarでiPadをサブディスプレイかしてタッチパネルでの操作を考えている方もいるかもしれないが、今のところSidecarでiPadをサブディスプレイとして使う場合Surfaceのようにタッチパネルでウィンドウを操作したりすることはできない。
厳密に言えば使えないことはないものの、指一本でスクロールしたりピンチイン、アウトなどのiPadで行えていたタッチ操作が行えない。
Luna displayではタッチ操作がサポートされていたりするし、iPadの利点をさらに活かすためにも次のアップデートで「タッチ操作の完全サポート」を行っていただきたい。
3 ある程度大きいiPadじゃないとそこまで意味がない
個人的にはいくらディスプレイを2枚に拡張できるからと言って、正直画面の小さいiPad miniを使うのは少し無理があると思う。Sidecarの恩恵をフルに受けたいのであれば最低でも10インチクラスのiPadで使うことをお勧めしたい。
それくらいのディスプレイサイズがあれば画面間の移動も大きさの違いによるストレスを感じることはほぼない。僕も13インチのMacと10.5インチのiPadを使っている。
今回の総括
デメリットも多いが...
確かに割と最新の機種でないと使えなかったり、タッチ操作がサポートされていなかったりと今のSidecarにはデメリットともいえる点があるのは事実だ。しかしそれを超えるような作業効率の良さや安定感はずば抜けているし、何よりこんな素晴らしい機能を無料で提供してくれたAppleには感謝しかない。
おそらく今後もiPadとMacの連携機能はさらに強化されていくだろうから、この後のSidecarの進化や新機能の登場に期待したい。
今回は以上だ。ではまた次の記事で。